(#42)肩障害に対する段階的リハビリテーション分類アプローチ(STAR-Shoulder)

文献
(#42)肩障害に対する段階的リハビリテーション分類アプローチ(STAR-Shoulder)
この記事は、理学療法士、整形外科医、スポーツトレーナー、および肩の障害や痛みに悩む患者向けです。特に、肩のリハビリテーションに携わる医療従事者や研究者にとって、リハビリテーション分類の新しいアプローチを理解し、臨床で応用するために役立ちます。肩の疾患に関する診断や治療計画の決定に関心がある方にも有用です。

 

 

博士

是非こんな方に読んでほしい

この記事は、理学療法士、整形外科医、スポーツトレーナー、および肩の障害や痛みに悩む患者向けです。特に、肩のリハビリテーションに携わる医療従事者や研究者にとって、リハビリテーション分類の新しいアプローチを理解し、臨床で応用するために役立ちます。肩の疾患に関する診断や治療計画の決定に関心がある方にも有用です。

 

論文内の肯定的な意見
  • リハビリテーションの個別化された治療アプローチが可能になる。
  • 肩障害のリハビリテーションにおいて、効果的な治療強度の選択ができる。

 

論文内の否定的な意見
  • 過敏性の分類基準は経験豊富な臨床医の合意に基づいており、さらなる研究が必要。
  • 中枢感作を持つ患者は、このシステムに適応しない可能性がある。

 

論文の要約

Background

肩障害は一般的な筋骨格系の問題で、痛みと機能喪失を引き起こします(Luime JJ et al.,2004)。
従来の診断は、主に病理解剖学的モデルに基づいており、病変組織の特定を目指していますが、このモデルはリハビリテーションにおける治療の意思決定には必ずしも効果的ではありません。この論文は、従来の病理解剖学的診断に加え、組織の過敏性と特定された機能障害に基づいたリハビリテーション分類を提案しています。

 

【過去の報告】
– 肩障害は一般的な筋骨格系の問題で、痛みと機能喪失を引き起こします(Luime JJ et al., 2004)。

– 肩の障害における診断精度については多くの研究が行われており、身体検査におけるテストの有効性が評価されています(Hegedus EJ et al., 2012)。

– 病理解剖学的診断だけでは、肩障害のリハビリテーションの治療方針を十分に導くことはできません(Ludewig PM et al., 2013)。

 

Method

  • 対象疾患:肩障害(腱板断裂、腱炎、肩関節包炎、肩関節不安定症など)
  • リハビリ分類:組織の過敏性を3つのレベル(高、中、低)に分類し、それぞれのレベルに応じた治療戦略を提案。
  • 除外基準:筋骨格系の障害以外の原因による痛み、重度の外傷性損傷を持つ患者。

 

Results

リハビリテーションの段階的アプローチ

  • 組織過敏性の評価:患者の痛みや運動の制限を基に、組織の過敏性を高、中、低の3段階で評価。
  • 治療戦略の適応:過敏性に応じて治療強度を調整し、高過敏性の患者には低強度のリハビリ、中程度の患者には中程度、低過敏性の患者には高強度の治療を行う。
  • 機能障害の特定:機能障害(筋力低下、可動域制限、痛み)に基づき、特定のリハビリ技術を選択する。

 

【例】
– 高過敏性の患者は、痛みを最小限に抑えるために活動を制限し、低強度の運動を推奨。
– 低過敏性の患者は、組織が高いストレスに耐えられるよう、強度の高いリハビリを行う。

 

 

Conculusion

STAR-Shoulderシステムは、肩の障害に対するリハビリテーションを効果的に指導するために、病理解剖学的診断に加え、組織の過敏性と特定の機能障害を考慮した新しい分類システムです。この分類システムは、臨床での適用性が高く、治療戦略の精度を向上させる可能性があります。

 

 

博士

限界点

  • システムの信頼性と妥当性は、さらなる研究が必要。
  • 痛みの過敏性に基づく分類は、中枢感作を持つ患者には不十分である可能性がある。

 

博士

読者が得られるポイント

  • 肩障害のリハビリテーション戦略を効果的に個別化するための新しい方法。
  • 組織過敏性に基づく治療強度の適切な調整。

 

 

ブログの要約には間違いや個人的な解釈が含まれる可能性があります。
論文の詳細が気になる方、もっと詳しく知りたい方は、是非論文を一読ください。

論文情報
McClure PW, Michener LA. Staged Approach for Rehabilitation Classification: Shoulder Disorders (STAR-Shoulder). Phys Ther. 2015;95:791-800.
DOI: 10.2522/ptj.20140156

引用論文
Luime JJ, Koes BW, Hendriksen IJ, et al. Prevalence and incidence of shoulder pain in the general population: A systematic review. Scand J Rheumatol. 2004;33(2):73-81.
DOI: 10.1080/03009740310004667

Hegedus EJ, Goode AP, Cook CE, et al. Which physical examination tests provide clinicians with the most value when examining the shoulder? Update of a systematic review with meta-analysis of individual tests.Br J Sports Med. 2012;46(14):964-978.
DOI: 10.1136/bjsports-2012-091066

Ludewig PM, Lawrence RL, Braman JP. What’s in a name? Using movement system diagnoses versus pathoanatomic diagnoses. J Orthop Sports Phys Ther. 2013;43(5):280-283.
DOI: 10.2519/jospt.2013.0101

 

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