Kuslichらの研究では、椎体終板(Vertebral end plate)への刺激が「深部への鋭く激しい腰痛」を引き起こすと報告しています。
痛みの性質と強度
椎体終板に圧力をかけたり、掻爬(そうは:器具で削るような操作)を行ったりした際の反応には、以下の特徴があります。
- 非常に激しい痛み
終板への刺激は、頻繁に「深く、かなり激しい腰痛(deep, rather severe low back pain)」を引き起こしました。 - 術前を上回る鋭さ
その痛みは、患者が手術前に経験していた不快感よりも「激しく、かつ鋭い(more severe and sharper)」性質のものであることが一般的でした。 - 部位の特定
この刺激によって生じる痛みは、脚などへは飛ばず、「腰(Back)」に限定されていました。
統計データと頻度
- 再現率
109例のテストのうち、61%(67例)で「何らかの痛み(Some pain)」が観察されました。 - 痛みの分類
痛みを生じさせる頻度では、線維輪外層と並んで「しばしば痛みを生じる(Often)」組織に分類されています。
他の骨組織との違い
興味深いことに、同じ「骨」に関連する部位でも、場所によって感度が全く異なります。
- 椎体終板
前述の通り、非常に敏感です。 - 骨の表面(骨膜)
椎体の骨の表面(骨膜レベル)は、刺激に対して無感覚(insensitive)でした。 - 棘突起や椎弓
棘突起や椎弓、椎間関節の骨自体も、麻酔なしで削り取ることが可能なほど無感覚であると述べられています。
臨床的な意味
椎体終板がこれほどまでに鋭い痛みを発するという知見は、「椎間板由来の腰痛(Discogenic pain)」を理解する上で重要です。
椎間板(線維輪)だけでなく、その上下に位置する終板もまた、腰部における強力な痛みの発生源(ペインジェネレーター)になり得ることが、この研究によって実証されています。
椎体終板は「骨組織の中でも例外的に敏感な部位」であり、そこを刺激することは、患者が元々持っていた痛みよりもさらに鋭く激しい腰痛を誘発する可能性があります。


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