(#63-7)線維輪の刺激部位と、それによって生じる痛みの場所の関係は?

文献

 

線維輪(椎間板の外層)を刺激した際に生じる痛みには「側性(左右の区別)」があることがこの研究で明確に示されており、「線維輪の右側を刺激すると右側の腰痛が出現する」ことが報告されています。

 

刺激部位に忠実な痛みの発生

Kuslichらの研究では、線維輪のどの部分を刺激するかによって、痛みが現れる場所が正確に分かれることが観察されました。

  • 中央部を刺激した場合
    線維輪の中央、および後縦靭帯を刺激すると、「腰の中央部(central back pain)」に痛みが生じます。

  • 右側または左側を刺激した場合
    中央から右または左にずれた部位を刺激すると、「刺激したのと同じ側(the side of the back being stimulated)」に腰痛が生じました。

 

 

臨床診断との一致

この観察結果は、実際の診断現場で見られる現象とも一致しています。

  • CTスキャンとの相関
    著者は、CTスキャンなどで「正中線から外れた片側に膨隆(bulge)がある場合に、その側だけに腰痛が出る」という臨床的な所見と、今回の実験結果が一致していると述べています。

 

 

なぜ「中央だけ」ではないのか

線維輪の外層には神経(侵害受容器)が豊富に存在していますが、それらは左右に分かれて分布しています。
そのため、物理的な刺激(圧迫や牽引)が加わった場所に応じた部位に痛みを感じる仕組みになっています。

 

線維輪を原因とする腰痛は、「痛む場所が、実際に問題が起きている(刺激されている)部位を正確に反映している」のが特徴です。
そのため、右側を刺激すれば右側が痛むというのが、この研究の重要な結論の一つとなっています。

 

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